開発ストーリーOur Story

サクソフォンの荷重により体に支障をきたした奏者が、自らの体験を経て、
機能性ストラップのパイオニアとなるまでをご紹介します。

“ きっかけ ”Inspiration

ブレステイキングストラップ開発者である小村由美子は、奏者・指導者として精力的に活動していました。
演奏会に向けて練習量を増やしていたある時、指が動かない、箸が持てなくなる、などの症状を発症します。
病院を転々とする中で判明したことは、楽器の重さが原因で首に異常をきたしているということ。
やむを得ず演奏会まで楽器を吹かず体を休ませることで、なんとか本番を乗り切ることが出来ましたが、
この体験がストラップの開発・製作を考えるきっかけとなりました。

“ 試行錯誤① ~ 補助ストラップ ~Experimentation

首に重さがかからないよう様々なストラップを試すも、どれも一長一短でベストなものは見つかりません。ハーネスタイプのストラップでは、首は楽なのですが、演奏しているとなぜか息が上がって苦しくなるのです。そこで、試しにサイドテープを切断してみたところ…驚くほど息が通るではありませんか!これによって、体をしめつけないことがいかに重要か、を実感。のちに、補助ストラップというブレステイキング独自の形状に繋がったのです。

“ 試行錯誤② ~ フロントバー ~Experimentation

もうひとつ、「首をしめつけないための何か」が足りない…思い悩んでいたところ、ある朝、ふいに“引き出しの取っ手”が頭に浮かんだのです。それはDIYの残りとして机の中にしまっていたものでした。すぐにベッドから飛び起きて、夢中でストラップにつけてみたのです。これが今日の「フロントバー」の原型となりました。

“ 体の研究 ”Studying the Body

体を整えると、楽器が楽に吹けるようになるのはなぜだろう?
鍼治療を連続して受けた後の演奏会。とても楽に、良い演奏ができた、という衝撃的な体験を経て、「体」「姿勢」「音」は密接な関係にあることに気づき、体の研究にのめり込んでいきます。

“ 製品化へ ”Commercialization

この頃には、原型が確立したストラップを求める人が増えてきます。ひとりで製作を続けますが、時間が全く足りません。
より多くの方の要望に応えられるよう量産に向けた製品化を目指しますが、作り手やパーツひとつを探すも容易には進みません。
品質を落として安価なものを作るより、誰もが納得できる「とことん良いもの=本物」を作る、という方向に考えを切り替えることで、妥協ないものづくりを目指す人たちとの出会いが生まれ、製品化へ一気に加速するのです。

“ ブレステイキングのはじまり ”In the Beginning

初めてそのストラップを披露したのは、2006年関西で開催されたあるサクソフォンイベント。
試作品を発表すると、多くの奏者から高い評価をいただきました。
そして翌2007年に「BLISS(現:ブレステイキング)」を設立する時には、発売前にもかかわらず300本もの予約が入っていたのです。プロ奏者から口コミで評価がどんどん広がり、取扱販売店が全国に増えていきました。
その後、初期型ストラップに改良を重ね、初代 “Lithe(ライザ)” が誕生。2013年のことでした。

“ 研究は続く ”Continuing Research

ブレステイキングの強みは、開発者小村自身が奏者であり、指導者であるところにあります。
自らが演奏し、常に製品が最善であるか確認していること。
多くの著名な奏者の意見を聞き、取り入れることができること。
長年の指導の経験から、多くの生徒の状態を把握し、製品に反映させていること。
開発のいちばんの目的は奏者が「楽に良い演奏ができること」。
ブレステイキングは、常に「よりよいもの」を追究し、前進し続けています。
現在は、研究開発機関として国内2カ所に工房を構え、日々研究に励んでいます。