このストラップは、もともと私が頸椎ヘルニアを患った際、自分の演奏活動を続けるために手作りしたものでした。当時私は、首にストラップをかけて演奏すると、30分くらいで指が動かなくなり、キーが押さえられなくなっていました。このままでは楽器を続けることができないという状況の中、なんとかして体にかかる負担を軽減し、演奏できる状態を取り戻したいという一心で試行錯誤を重ねていました。
私は、多くの中学校や高校で吹奏楽部の指導にも携わってきました。 思い返してみると、「気分が悪い」「頭が痛い」「体がだるい」など、体の不調を訴える生徒さんの声を聞くことがたびたびありました。自分自身が頸椎ヘルニアを患うまでは、楽器を「首からぶら下げる」ことからくる負担が原因だとは思ってもみなかったのです。
自作したストラップを生徒さんや周りのサックス奏者にお貸しすると、「体が楽!音が出やすい!」と大変喜ばれ、楽器の重さを負担に感じている人がとても多いことを改めて実感しました。また、体の負担を軽減することで音がよく響き、自由に演奏できることもわかりました。ストラップひとつでこんなに違うものかと、自分自身でも驚くほどでした。
しばらくの間は希望者に手作りして差し上げていましたが、それでは追いつかなくなり、みなさんの声に背中を押される形で製品化を決意しました。こうして4年の歳月を経て、2007年に誕生したのがブレステイキングストラップです。健康で楽しく、また良い音で楽器を演奏していただきたいと心から願ってつくったものでした。
その想いは今でも全く変わっていません。 同じ気持ちを持つ情熱あふれる仲間たちと共に「体と楽器」の関係について研究を続け、 細かい改善を重ねながら一丸となって商品開発をしています。このストラップで「楽しく 演奏できる!」と言っていただけたら、それが私たちの最大の喜びです。
このストラップを通して、世界中の奏者の方々との出会いがあります。 その素晴らしい出会い、そして笑顔が、私たちの原動力となっています。
私たちはこれからも、奏者の「健康」「パフォーマンスの向上」そして「遊び心」をキーワードに、音楽の未来に価値あるもの、そして私たちにしかできない“breathtaking!” なものを生み出し、お届けしたいと思います。
株式会社BREATHTAKING 代表取締役
Profile
音楽大学在学中より演奏活動をはじめる。卒業と同時に『メルシー・サクソフォーン・カルテット』を結成。ピアノ・ベース・ドラム・ギター・パーカッションとのセッションなど、ジャンルにこだわらない音楽活動を展開。コンサート、イベント、TV、ラジオ出演等数多くの演奏活動を行う。また一方でサクソフォーンの指導にも注力する。特に、奏法については独自のプログラムを持っており、基本奏法についての指導を得意とする。骨格や筋肉・演奏姿勢が楽器の演奏に大変深い関りがあることに気づき、“身体と楽器”について研究を重ねる。それに関して、サックス専門誌“THE SAX”(アルソ出版)において『Optimal sound method』-自分自身の音楽を表現するために-を連載(2009年より2年間)。噛み合わせ専門の歯科医師とともに、“顎関節症”や“噛み合わせと演奏の関係”についての研究を行うなど、身体に関する様々な専門家のアドバイスを受けながら研鑽を積む。その他、国内外でサクソフォーンの指導、講習会を開催。広島音楽高等学校、エリザベト音楽大学管弦打楽器コース卒業。サクソフォーンを紙田俊介、秋本耕二、須川展也氏に師事。